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香水のように

朝、洗面所で慌しく出かける用意をしているときに
香水の瓶が 手から滑った。
蓋が緩かったので 大量の香水を こぼしてしまった。
もったいないので コットンにしみこませて
下着を入れている 引出しに。

ふき取ってもなお 洗面所は とってもいい香り。
こぼしたのは シャネル5番。
色々な香水を使ってきたけれど
このシャネルの5番は 秀逸。

ここ数年よく使っているのは
シャネルの シャンス。
香りは勿論好きだけれど
アトマイザーが使いやすくてお気に入り。

私の香水の歴史は二十歳から。
二十歳の誕生日を迎えた夏、母に連れられて香水屋に行った。
銀座の 阪急デパートの下にあった香水専門の小さいブティック。
・・・・今はもうない。
そして そこで店の人に 私に相応しい香水を、と頼んでくれた。

その時に 出されたのが ニナリッチの カプリッチと
当時流行っていた、やはりニナリッチの レール・ドゥ・タン。
どちらが好き?と 店のマダムに訊かれて 
私が選んだのはカプリッチ。
軽やかで華やかで、今でも好きな香り。

でも香りというものも 年齢とともに
嗜好も 似合うものも変わってくる。

シャネルも 若いころは5番は少し濃厚すぎたので
19番をずっと使っていた。
やがて 19番では軽すぎるようになった。

そして 以前は これは無理と感じていた ココ が
なんだかしっくりして大好きな香りになった。
今でも好き。
5番もココよりは 甘いけれど大好き。

まるで歌と同じ。
若い時には 好きだけれど 歌ってもしっくりこない曲が
年齢とともに 心からの一体感を感じて歌えるようになってくる。
だから 石井好子先生のステージを聞いたり見たりすると
今に 私もあの曲が 自分の中で消化できる日が来るのかも
などと思い、嬉しくなってくる。
そして肉体の衰えは悲しいけれど
年をとることが 楽しみに思えてくる。
そんなとき シャンソンをしていてよかったなあと思う。

もうすぐ今年も終わる。
またひとつ年をとるわけだけれど
来年は もっともっと 自分らしい歌を歌えるようになりたい。
同じ香水でも つける人によって
違う香りに感じられるように
スタンダードを歌っても 
私なりの世界と香りを作っていけるようになりたい。

そのためには もっと自分の心と感性を磨いて
もっと 練習しなくては。
そして その大前提は 健康であること・・・
と 改めて思うのです。
Commented by のりぴい at 2008-12-27 12:28 x
二十歳のお誕生日に 香水屋さんに連れて行っていただけたなんて・・・。素敵なお母様ですね。うちの娘は シャネルと同じ8月19日生まれ。それを誇りに思っているとこがあって 大人になったある日 シャネルの5番を買ってあげました。香りに過敏な娘なので 実際は付けてないのですが 持ってることを喜んでくれました。
夕べの今年最後のソワレ 素晴らしかったです。
Commented by lamanda at 2008-12-27 21:54
エリナちゃん、「獅子座の女」なのですか。
どうりで 意思が強いのですね。
昨日のソワレ、本当に素晴らしかった。
ああいうライブがやりたかったのですよ。
ですから とっても満足。
by lamanda | 2008-12-26 00:21 | Comments(2)