遊びではない。
「季刊シャンソン」の八月号で札幌を取り上げるためだ。
今や日本全国、 シャンソニエは存亡の危機に瀕している。
20年ほど前に 東京の銀巴里が閉店して以降
次々と老舗と言われた店が姿を消していった。
そして今や 札幌の「銀巴里」が
日本で一番歴史のあるシャンソニエとなった。
私も20代のころは よく呼んでいただいた。
その銀巴里のオーナー店主の浅川さんも
お病気を抱えて大変と聞いていたので
失礼な言い方だが 今のうちに
いろいろなお話を伺っておきたいと思って出かけた。
ご自身の病院治療のスケジュールを
私の来札に合わせてくださって
二日間 たくさんお話を伺うことか゛できた。
何しろ昭和42年の開店から
内装もほとんど変わらず
頑なに 老舗としての姿勢を崩さずやっていらっしゃる。
お聞きしたお話の 極々一部ししか
「季刊シャンソン」には書くことか゛できないのが残念。
浅川さんと知り合って ん十年だけれど
初めて きちんとお話を住めることか゛できて
大満足でかえってきた。
・・その嬉しさも手伝って
以前からほしいと思っていた物を 買ってしまった。
椅子だ。
トーネットというドイツのメーカーの名作と言われている椅子。
バルバラのCDのジャケットにも出ているし
彼女のコンサートの時にも ステージに置いてあった。
美しい曲木細工の揺り椅子。
ピカソも愛用していたことで知られている。
決して安くないけれど
ずいぶん長い間 憧ていたので
手に入れることか゛できて 大満足。
こうなると 部屋を 椅子にふさわしく模様替えしたくなる。
・・・どうしよう・・・
家で揺り椅子にゆっくり座って
物思いにふける余裕はないけれど・・・。
その ずっと何年も 憧れ続けていたその椅子が 今朝 届いた。
美しい。
・・・あの椅子に座れば・・・気分はバルバラだ。